原発事故裁判 無罪判決に対するコメント

東京電力福島第一原発事故につき業務上過失致死傷罪で起訴された旧役員3名に対し,東京地裁は,私たちが懸念していたとおり無罪の判決を言い渡しました。
役員たちには大規模津波襲来に対する「具体的予見可能性」がないとして過失を否定した判決は,役員たちの「知らなかった」「予想できなかった」との弁解をそのまま是認する極めて不条理な判決です。
裁判の過程で様々な事実が明らかになり,役員たちの「具体的予見可能性」について十分立証されたと思われる審理の状況であったことから,この判決には対しては憤りを通り越して日本の司法に対する深い不信を覚えざるを得ません。
JR福知山線事故の裁判についても,結果的には同様の判決が確定してしまいました。このような判決が容認されると,重大事故が起こった場合,その責任の所在が追及されないまま放置されることになってしまい,それは新たな重大事故発生の誘因となります。現行の日本の刑法において,個人の責任追及のハードルは極めて高いと言わざるを得ません。しかし,重大事故は起こり,多くの国民の命や生活が脅かされる状況は続くのです。
私たち「組織罰を実現する会」は,社長等の個人の刑事責任追及がなされにくい現状を前提として,組織(企業・法人など)自体を刑事罰の対象とする法律を制定することで,事故の責任を明確にし,重大事故の再発を防ぐことを目的として活動しています。
今回の原発事故裁判においても,「組織罰」があれば,東京電力株式会社という組織の責任は明確になったものと思われます。
早期の「組織罰」実現を,国民全体の合意として進める必要があります。

2019年09月21日